少しでもチップを増やすスチール・リスチールのやり方・考え方・戦略
テキサスホールデムにおけるスチールとは、主にプリフロップで出されたチップを獲得することを意味します。
決して相手のチップを盗むことではないので、勘違いしないように。
ある程度ポットにチップが溜まった後のフロップ以降はポットを獲得するために動くのですが、プリフロップでは参加費しか溜まっていません。
それでも戦わずして獲得できるのは嬉しいですし、積極的にスチールを狙っていきましょう。
基本的なスチールの考え方
スチールとは、プリフロップ時点で相手を全員フォールドさせ、場に出されているブラインド、アンティを貰うことです。
ブラインドスチールとも呼ばれますが、リングゲーム・キャッシュゲームではハンドレンジ通りこなすだけでそこまで重要ではないでしょう。
ですがブラインド額がどんどん上昇していくトーナメント形式では、1回のスチール成功がかなり大きな利益になるのです。
トーナメント後半はほとんどプレイヤーが20BBや10BB前後しか持っていないことも多いです。
そんな状態でブラインド・アンティ含め3BBほどあるだけで、自分のスタックにかなり余裕が出来るので、積極的に狙っていきたいですね。
もしチャンスがあるのであれば、ハンドの強さは関係なく、もしくは少しレンジを広げて狙っていくことがスチールの基本となるでしょう。
BTN、SBからのスチール方法
まずは一番簡単なスチールの狙い方は、全員がフォールドで回ってきたBTNやSBでのスチール。
3BB~4BBのオープンレイズをして、後ろの人数が少ないのでプレッシャーを与えるわけですね。
特に自分の左、もう一つ隣のプレイヤーが重要で、タイトであるほどスチールは成功しやすくなるでしょう。
毎回同じようにオープンレイズしていると、気付かれて対策ディフェンスされてしまうこともありますが、頻度でハンドが入ってなくとも攻めてみることをおすすめします。
特にBTNはポジションがあり戦いやすいので、仮にコールされたとしても、ヒットする可能性もあり、CB1発でフォールドしてくれる可能性もあるでしょう。
ただしBBのプレイヤーが参加費をすでに払っているため、積極的に守るプレイヤーの場合は、あまり通用しないので注意しましょう。
オールインでスチールする方法
もしBBの守りが多い場合、ルースなプレイヤーが多い状況でスチールを狙うのであれば、初手オールインも非常に有効な方法の一つです。
トーナメントの中盤、終盤のお話ですが、自分や相手のスタック量が20BB以下だと、そもそもオールイン勝負になることが多いですね。
ほとんどのプレイヤーがハンド入るのを待っている状況であり、入賞ラインが迫っている時なども特にみなタイトになることは間違いありません。
自分もスタックが少ないと勇気が必要ですが、もしチップリーダーである、相手の倍以上スタックを持っている場合など、積極的にオールイン連発しても良いほどです。
確率の話ですが、プレミアハンドに近いものには当然コールされスチール失敗になりますが、そもそもそんなハンドを選んでいると上位5%くらいでしかコールされないということ。
95%はフォールドしてくれるような状況であれば、3BBのオープンレイズでスチールを狙うより、遥かに効果的と言えるでしょう。
3BETによるリスチール
続いてこちらはリスチールと呼ばれる方法ですが、3BET(リレイズ)をして、参加費に加えてオープンレイズされた額も一緒に奪うことですね。
スチールを狙っているプレイヤーが出したチップも一緒に奪うこと、もちろん本当に強いハンドであれば3BETは当然しますが、ハンドレンジを広げてライト3BETなどと呼ばれます。
リスチールの良いところは、ブラインド・アンティ以外にも相手のオープンレイズ3BBも一緒に貰えるので、成功するとかなり美味しいです。
ただ相手が本当に強いハンドが入っていて、4BETを返されることで大打撃になりますし、3BETコールされると、大きなポット額で戦う必要があります。
基本的にはルースなハンドで参加するプレイヤーに対して有効で、スチールの抑止力として数回は使うべきでもありますね。
例えば先ほどのスチールでご紹介したBTNからのオープンレイズに対して、自分がSBから3倍~4倍の3BETを打つ方法です。
ルースに参加するプレイヤーだとフォールドするハンドも増えてきますので、じっと黙っているだけでなく、しっかりと3BETをして守っていきましょう。
実際に3BETやスチールを阻止する場面を見せることで、相手が大人しくなるパターンもあります。
オールインによるリスチール
スタックに余裕がある場合は、3倍~4倍の3BETが選択されますが、残り20BB以下での3BETは基本的にオールインが最適です。
例えば15BB持っていて、10BBの3BETをしたとしても、バックスタックが5BBしかないので、コールされた後、結局オールインになりますね。
中途半端に残すぐらいであれば全部入れたほうが、プレッシャーにもなりますし、多くのプレイヤーが取り入れている戦略です。
トーナメント終盤など、本当に強いハンドが何度も来るわけではありませんので、このオールインタイミングは非常に重要になります。
ただ注意すべきは、自分からオープンするパターンと違い、相手のオープンレイズは多少なりハンドが強い可能性があるでしょう。
ですのでこれも中盤、終盤にてチップを持って圧力をかけ、頻繁にオープンレイズで参加するプレイヤーに対して有効な戦略となるでしょう。
間違っても待ち続けて久しぶりに参加したプレイヤーにリスチールを仕掛けてはいけません。
タイトなプレイヤーが急に参加するときほど強いに決まっていますので、しっかりとプレイヤーの情報を集めておくと戦いやすいです。
ポジションとタイミングが重要
スチール、リスチールの一般的なやり方をお伝えしてきましたが、少しは取り入れていかないと特にトナメでは勝てません。
普通のリングゲームであれば、コツコツとタイトにチップを増やしていくだけで良いですが、ターボトナメなど積極的にいかないと勝ち上がることは難しいです。
じっと待っていてもブラインド、アンティでジリジリとスタックが減っていき、ブラインドがあがると純粋に同じチップ量でも平均をどんどん下回ってしまいます。
小さなトーナメント、1テーブルで完結する勝負であれば、スチールはかなり有効な作戦です。
初心者でもスチールのやり方を知っていると、相手がどんな戦略で来ているのか分かりますし、プレイスタイルも見えてくるでしょう。
タイミングを伺って、しっかりとスチールも狙っていくことをおすすめします。