「キッカー勝ち」や「チョップになる」状態とは?様々なパターンを解説

2022年10月24日

キッカー

テキサスホールデムではハンドが2枚配られて、片方だけが強くても勝率は高くなりません。

むしろ片方がAで初心者は喜んでいても、相方の数字が小さいほど不利ですし、更にマークも違えば参加すら出来ないのです。

Aならまだしも、絵札と2・3など2枚の幅が広い、そしてマークがバラバラなハンドはかなり弱い部類に入るでしょう。

仮にワンペアが出来たとしても、それに属さないもう一枚のキッカーで勝敗が決まってしまうこともあるので注意が必要です。

今回こちらではそんなキッカーがどのような形で絡んでくるのか、詳しくお伝えしていきます。

ワンペアなどだと良いのですが、ツーペアなども少し複雑になるのでぜひ知っておいてください。

キッカーとは?

キッカー
テキサスホールデムにおいてキッカーとは、どの役にも属さないカードのことです。

配られた2枚のハンド、そしてボードに開かれる5枚の合計7枚から5枚を選び強い順に役が決まるのが、テキサスホールデムのルールです。

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

このような状況の場合、フラッシュもストレートもなく、お互いの役は「Aのワンペア」が完成している状態です。

役自体は同じなのですが、役に絡まないもう1枚のカードが、相手の方が強いので、これはあなたが負けてしまうパターンになるのです。

強い順に5枚ということで、ワンペア以外の3枚も強いカード順に並べると、相手のKはバラカードの中で一番強いため、このような勝敗が決まるということですね。

これがキッカー勝ち・キッカー負けと言われ、ワンペアを過信してはいけない状態で、相方のカードも考慮して戦わないといけません。

自分の役(Aのワンペア)
相手の役(Aのワンペア)

一応5枚を並べておくと、このような形が正式な役となりますので、特に揃っていない方の数字にも注目しておきましょう。

オンラインであれば勝手に勝敗が付きますし、ライブポーカーでも大体はディーラーがお互いの役を確認してくれますので、多くの場合は分からなくても問題ありません。

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

ワンペアの例で解説をしましたが、お互い役が絡んでいないAハイカード同士、このような状況でも5枚を順に並べるので相手の勝ちとなります。

あなたはAハイでショーダウンしたが相手も同じAハイでキッカー負けした状況です。

チョップ(引き分け)になるパターンは?

チョップ
ポーカーでは同じハンドの場合はマークで強さを決めるルールもありますが、テキサスホールデムではチョップ(引き分け)が採用されています。

7枚中5枚の組み合わせが自分も相手も同じ数字でショーダウンした場合は、それまでに投入されたチップが半分に分けられます。

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

キッカーの強弱も大切ですが、せっかくキッカーで勝っていても、ボードに消されるパターンというものがテキサスホールデムには存在します。

それがこのようなパターン、自分は「A8」そして相手が「A4」なので相手のキッカーを上回った状態で、勝率も最初は非常に高いです。

ですがせっかくAのワンペアが出来たにも関わらず、8以上のハイカードばかり出てしまうと、残り3枚全てボードのカードが優先される状態になってしまうのです。

このようなボードの場合、自分のキッカー、相手のキッカーも関係ない状態、Aのワンペアで引き分けになりました。

自分の役・相手の役(Aのワンペア)

結局Aのペア、ボードの3枚が優先されチョップに、特にキッカーが弱いとこのようにボードによって強さを消されてしまうことがあるのです。

ワンペアの場合は残り3枚であるので分かりやすいですが、特にツーペアボードなどには初心者は騙されないようにしましょう。

ボードでツーペアが出来たパターン

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

続いてはボードでツーペア以上が出来てしまい、自分のハンド自体がキッカーになってしまう残念なパターンをご紹介します。

よくあるのが、自分がローポケットペアを持っており、フロップ・ターンまではかなり勝っていそうですし、フルハウスのチャンスもある状況。

相手はQか4がヒットしていないと苦しい状況ですが、リバーで6がペアになることで、大きく話が変わってくるのです。

これはボードでツーペアが出来てしまったため、5枚を選ぶとすると残り1枚の強さを競うことになり、せっかくのポケットペアが消えてしまうかなり残念なパターンですね。

あなたはツーペア、キッカー3という非常に弱い状態になってしまったため、ショーダウンしてもまず勝てません。

逆に相手からすると、Aハイはかなり良い状況で、4ヒットされていても同じようにQと6のツーペアが優先されるため、キッカーとしてはAが最強な状態、相手のAKともチョップですね。

フルハウス完成、もしくは6以上のポケットペアにしか負けていない状況になりました。

勝っていそう、負けていそうと考えながらチップを賭けることがポーカーの醍醐味ですので、そもそもの勝敗を勘違いしないようにしましょう。

2枚ハンドのバランスも重要

バランス
まだあまり勉強をしてない初心者の場合は、直感的にA・K・Qあたりが1枚でもあると強いと思い参加することも多いです。

実際にオールイン勝負などであれば、ハイカードがあればあるほど勝率は高くなるのですが、チップを大きく獲得するにはストレートやフラッシュの意識も大事になってくるのです。

参加したいハンド 参加したいハンド
参加したくないハンド 参加したくないハンド

上と下で見比べて欲しいのですが、十分なスタックを持った際に相手のレイズに対してコールするならどれが良いでしょうか?

何人参加しているのか、ポジションにもよりますが、かなり戦うのが苦しいのは、この中で「K5o」になると思います。

またA3も複数人だとかなり微妙なライン、この中だとストレートやフラッシュも絡む可能性のある「86s」が一番戦いやすいかもしれません。

ポーカーは何となく覚えたての初心者でも、「AA」や「AK~AT」など強いことは誰でも分かるので、最初からフォールドすることはまずありませんよね。

そこで「A3」や「K5」で参加して怖いのが、変にヒットしてキッカー負けして大きく取られることなのです。

「うわ~相手も同じワンペアなのに負けちゃった、ツイてない」ではなく、キッカーが弱いことが分かっていると、参加することすら躊躇するべきハンドだということですね。

数字が近いほど良いですし、マークも同じ方が強く、なるべく積極的に参加して勝ちたいならそのようなハンドを選ぶようにしましょう。

相手も初心者であればワンペアでも大きくベットしてくる可能性もあるので、大きな役を狙いチップを一発で大きく取る作戦も有効になります。

ポジションでの勝率が上がるコツ


もう少し踏み込んだお話をすると、テキサスホールデムではポジションごとに参加すべき最適なハンドレンジは決まっており、ある程度覚えた人はそれなりの強いハンドで参加してきます。

特に一番最初にアクションするUTG(アンダーザガン)のポジションでは、かなり強めのハンドで、Aが多く含まれたパターンでオープンレイズしてきていることが多いですね。

そんな状況であなたがBBで、Aがあるからとりあえずコールしたとしましょう。

ここでフロップでボードにAが出てしまうと、降りるに降りられない状況で、少し負けるか大きく負けるか、もうほぼ勝敗は決してしまう状況になってしまうのです。

もし仮にフロップでA・K・Qなどの3枚が出ようものなら、相手はツーペア・スリーカードなど完成していても全くおかしくないボードなのです。

そんなときにはAのワンペアでキッカーが弱い程度では当然太刀打ち出来ないので、1発ベットされただけでもフォールドすることが自然な状況になってしまうでしょう。

参加率が高すぎるプレイヤーは全く読めませんが、ある程度ハンドレンジに沿ってプレイしている場合は、相手の参加しているであろうハンドを想定して戦うと最悪の状況は回避できます。

フルハウスVSフラッシュなど、避けられないような戦いでチップを取られても仕方がないですが、このようなキッカー負けで大きく取られるのは非常に悔しいですので、慣れてくると守るべきハンドなども見極めて参加していきましょう。

相手のハンドを想像すること

考える
相手のハンドを考えて戦う、上手い人が使う技術でハンドリーディングと呼ばれますが、少しでも想像することは大事です。

初心者が多いような環境でも、相手がコールで参加したのか、レイズで参加したのか、3BETを打ったのかでハンドの内容は大きく変わります。

もちろん元々プレイヤーの傾向は1人1人違うのですが、ザックリとした考え方は同じ、例えば「AA」を持っている人の大半はプリフロップでリレイズしてくるでしょう。

おとなしいプレイヤー、タイトなプレイヤーであるほど強いハンドだろうなと想像できるでしょうし、微妙なハンドであれば最初からフォールドすると良いだけのこと。

数学的な正しさなど知らずとも、少しでも相手の癖、参加しているハンドの傾向が見えるだけでもかなり割の良い勝負が出来るでしょう。

そんな勝ち負けを想像する以前に、キッカーについてなど知らないと話になりませんので、ある程度のセオリーや考え方は最低限身に付けておくことをおすすめします。