GTO戦略では勝てない?GTOの暗記方法や勉強方法はあるのか?

ポーカーを学ぶ上で、必ずいつかは座学として取り入れる必要のあるGTO戦略。

ゲーム理論と呼ばれ、数学的な正解なプレイをすることの意味を持っていますが、これは一体どのような考え方なのでしょうか?

特に初心者では、テキサスホールデムを覚えたプレイヤーの中で、このGTOを正確に理解している人はごくわずかでしょう。

今回こちらでは、GTOを知ることで勝てるようになるのか、暗記や勉強の必要はあるのか、まだ知らない人に向けてお伝えしていきます。

GTO戦略とは?

GTO(戦略)
GTOとは、「Game Theory Optimal(ゲームセオリーオプティマル)」の略で、日本語では「最適なゲーム理論」を意味しています。

ポーカーにおけるGTO戦略とは、数学的に正しいとされる戦略をもとにゲームの参加、チップの駆け引きを考えることですね。

現在では様々な解析ソフトが進化しており、状況やポジションなどを全て入力して、数学的に正しいアクションを教えてくれます。

もちろん全ての状況を覚えることは不可能ですが、ある程度の正しい戦略を勉強した上で、臨機応変に戦える人がテキサスホールデムでは強い人になるでしょう。

このGTOが難しいのは、リングゲームなのかトーナメントなのか、そして有効なスタックはどのくらいあるのか、様々な状況から最適解を出さないといけないこと。

これは多くを経験して、数学的な正しさをしっかり復習することでしか会得できない特別なスキルだと思います。

GTOを勉強する前に知っておくこと

マニュアル
僕もまだ全然解析ツールなど扱っておらず、趣味として楽しんでいるプレイヤーの多くは、GTOの正しさを理解できていないです。

そもそもそれ以前の問題で、例えば「強いハンドはプリフロップで3BETを打つ」「残りスタックが少ないからここでオールイン」などすら分かっていないプレイヤーが多いのも事実。

一応このサイトでは、超初心者やライトユーザーに向けての記事が多いため、初心者講座ではレベル別に記事を追加していってます。

この記事はレベル34に位置していますが、GTOを勉強するにはレベル50くらいまでは最低でも他のセオリー、考え方を把握した後のプレイヤーがやることかなと思いますね。

それほどテキサスホールデムは複雑で、覚えることや考えることが多いからこそ面白いのです。

僕もGTOを学ぶ前にこのサイトを作成していますが、書ききれないほどお伝えしていこと、そして勉強していかないといけないことがあります。

ですので、まだ自分がまだまだと思う場合は、GTOよりも先に、ぜひ初心者講座をレベル1から順にクリアしていってみてください。

特に無料アプリから始めた人、Youtubeの影響で知った人など、基本的な立ち回りを最低限知った上で実践に望みましょう。

GTOはスキのないミスのないプレイ

アクション
ではGTOとは一体どんなものなのか、分かりやすく説明していきますが、数学的に正しいとは「ミスのないプレイ」のことです。

ポーカーではプリフロップから参加するハンド、フロップ以降のアクション、ベットサイズ全てを自分の意思で決めることが出来ます。

ミスのないプレイとは、相手プレイヤーの性格・癖など一切考慮せず、どんな環境でプレイしているのか、持ちチップやハンド、ボードの状況で最適であるプレイだけをしていくことですね。

ポーカーはミスの多い人から脱落していくゲーム、もしGTOに沿ったプレイを習得したのであれば、長期的に負けることは少なくなるでしょう。

状況別のGTO
  • 何人テーブル、何BB持ちか
  • キャッシュorトナメなのか
  • アンティ、レーキ(手数料)はあるか
  • ポジションはどこか
  • 相手のポジションはどこか
  • ボードはどんなカードか

このような感じで、細かい状況で変わるため、全ての正解を知ってミスなくプレイすることは非常に難しいと言えます。

逆に例えば海外カジノでキャッシュゲームしかやらない場合、その環境に対応した正解のみを突き詰めて知っておけばかなり強くなるでしょう。

ただそんな人が、トーナメントに出て同じ戦略を使ってもまず勝てないのは、前提条件が違うので正解も変わってくるから。

経験豊富、賢いポーカープレイヤーはこのような状況別で、少なからずプリフロップの参加レンジなどは頭に叩き込んでいる人が多い印象です。

GTOを見ながら状況を解説

では実際に無料でも数ハンドの分析を見ることの出来る「GTO Wizard」という解析ツールを使って状況を見ていきましょう。

今回は6人MAXのテーブル・100BB持ち・多少のレーキありという状況に入力してみました。

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

UTG、HJ、COの3人がフォールド、あなたはBTNから「AJs」を持ってオープンレイズ、SBがフォールド、そしてBBがコールした状況。

実際はこのような分析をする際に、ハンドよりもハンドレンジ全体で考えると良いのですが、今回は分かりやすくするため、自分のハンド、そして相手のハンドも「K8s」にしてみました。

BTNからオープンレイズをする選択


1つずつ状況を説明しますが、あなたがそれぞれの立場にたった状況を想像してみてください。

まずはBTNからのオープンレイズですが、こんな感じの赤が参加、青がフォールドですね。

100BB持ちだと2.5BBオープンが推奨されており、リンプインするようなハンドは一切ないことが分かるでしょう。

レイズ額は3BBにする人もいるでしょうが、今回のハンド「AJs」も当然参加するハンドに含まれており、フォールドする選択肢は無いです。

BBがコールをする選択


続いてはBTNのレイズに対して、BBはどのハンドでどうすれば良いのか。

今回の例に挙げた「K8s」はめちゃくちゃ強いわけではないですが、十分参加するに値するハンドなのでコールしましょう。

赤が3BET、緑がコール、青がフォールドなので、このハンドはコールすることがGTO的に正しい選択であることが分かります。

ちなみに赤と緑が混ざっているのは、頻度としてどちらを選んでも良いということ、絶対にこちらのアクションが正しいとはならない部分もあるので注意が必要です。

フロップが開きBBがチェックする選択


フロップ以降のアクションはBBが先ですが、アグレッサーはBTNの方なので、一般的にはチェックで回します。

攻め手側に手番を渡すことがセオリーとして知られていますが、これもGTO的な考え方で、BBからベットするパターンはわずかしかありません。

3.3%とは30回に1回くらいはベットしてみても大丈夫だよ?的な感じの正しさもあるようですが、普通はチェックで回すのですね。

今回のハンドは「K8s」ですが、注目して欲しいのは「A8、A7」で参加して、ヒットしていても変わらずチェックが推奨されていることです。

アグレッサーに手番を渡す、ドンクベットしないというのは、このGTOを元に初心者へ教えられているということですね。

よく教わるセオリーなどを身に着けると、自然とミスの少ないプレイが出来てきているのです。

BTNがCBを打つ頻度は?


さて、アグレッサーがプリフロップに引き続き打つベット(CB)ですが、パッとみた感じ、ベットとチェックがかなり混ざっていますね。

AハイボードはとりあえずCBを打て!と言われることもありますが、ヒットしていなければ全然チェックで回すことも数学的に正しいということ。

今回は「AJs」なのでAのワンペアがヒット、9割はベットすることが推奨されています。

右の方にかかれていますが、赤の色合いが変わっているのは、ベットサイズまで推奨してくれているからなのですね。

現在ポットには5.5BBが入っているので、2.75BBはハーフポット、1.8BBは1/3ポットで、これが一般的に使われているベットサイズです。

ポットを越えるような大きなベットは全く推奨されていませんので、多くの人が小さいCBを打つのはこれが元になっています。

相手のCBに対してBBは?


Aハイボードでよくある小さなCB、もし自分がBBでヒットしてなければすぐにでもフォールドしたい状況ですよね。

実際にQハイやJハイでどうにもならなそうなハンドはフォールドが推奨されており、今回の「K8s」はフラッシュが見えると踏ん張れるけど、全くならフォールドです。

GTOの複雑なところは、ストレートやフラッシュが若干絡むだけでも、正解とされるアクションが変わってくることなのです。

今回はあえて「K8」にしたのは、ボードとマークが一切絡んでいないためで、ヒットしておらずマークが1枚も絡んでないとフォールド100%になっています。

GTO戦略だけでは勝てない理由

疑問
一連の流れを見て頂けると分かる通りですが、このように1つずつのアクションに正しさがあり、これ通りにプレイするとミスは消えます。

ただ人間そこまで正確にプレイできませんので、多少のブレはありますが、復習をして様々な状況を検証することで、少しずつ力が付いていくということですね。

ここまで説明してきたGTOですが、この戦略だけでは勝てない大きな理由が1つあるのです。

それは、相手が人間で絶対に正しい選択をしてこないからで何してくるか分かりません。

先ほどのプレイラインを細かく見てきましたが、初心者やセオリーを知らない人間と戦うと、リンプイン・ドンクベット・POTベットなど平気で飛んできます。

ハイステークスでレベルの高いプロ同士などであれば純粋にGTOを極めて行く人が強いのですが、甘めな環境だとそれ以前の問題なのですね。

自分が正しいプレイラインを取っていたとしても、変なことをされ全く勝てないということも起こり得るのがポーカーの怖いところ。

もちろんGTOを学ぶのは良いことなのですが、相手プレイヤー次第では自分も上手く戦い方を変えていかないと勝つことは出来ないでしょう。

GTOの暗記と勉強方法は?

チェックリスト
GTO戦略の考え方や状況別の選択をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

ここまで複雑なパターンを全て細かく暗記することは不可能ですが、ある程度の傾向を覚えることは、何度も解析ツールにて振り返ると良いです。

個人的に思う勉強方法は、実践・そして復習の往復をひたすらやることで、やればやるほど間違いなく強くなるでしょう。

そして上手い人のハンド見ながら解説してくれる動画やコミュニティなども当然ですがレベルアップに必要不可欠かもしれません。

もし金銭的にも時間的にも余裕がある場合には、上手な人からコーチングを受けて、最速で学ぶことが一番の近道ですが、受ける相手や属するグループはじっくり選ぶこと。

そして自分のペースで学ぶという人は、無料アプリのプレイの実践で良いので、このような「GTO Wizard」を触り、少しずつでも数学的正しさを知っていくことをおすすめします。