ポーカーのオッズ計算・オッズコール・必要勝率・アウツの考え方

2022年10月24日

オッズ

競馬などにもよく出てくるオッズ、倍率の考え方はポーカーにおいて非常に重要です。

初心者の多くはハンドや役の勝ち負けを第一に考えてしまいますが、それよりもどうやってチップを増やすか考えることが先です。

強いときにはベットする、勝っていそうであればコールやレイズをすることは当たり前ですね。

ただし、自分がどのくらいの割合で勝っているのか、何となくでも把握出来ているでしょうか?

結構迷う場面はあると思いますが、そんなときに考慮すべきことは貰えるチップの量です。

こちらではそんなチップ量に関わるオッズ計算や、勝率の話を分かりやすく解説していきます。

オッズ(倍率)とは?

オッズ
オッズ(ODDS)とは競馬などでよく使われる、賭けた額に対する払い戻しの倍率を意味します。

テキサスホールデムにおけるオッズとは、投入したチップに対して、勝ったときに得られるチップ倍率のことですね。

極端な例だと、ハンドが配られたプリフロップ時点で、強制参加費、最初のレイズ、コール合わせて100BBポットに溜まっていたとしましょう。

ボードに3枚開いたフロップで相手から5BBの小さなベットが来た場合、フォールドを選ぶことはほぼありません。

理由は100BB+5BBの合計ポットに対して、自分がコールするには5BBが必要なので、勝つことが出来ると全部で110BB貰えることになり、出した22倍のチップを得ることが出来るからです。

この勝負を22回して1回勝てばプラスになるので、簡単な計算だと勝率が5%でもあれば、このベットをコールするのがプラスの行動、「オッズが合う」「オッズコール」と呼ばれます。

オッズの計算方法

・ポット額+相手ベット額+自分コール額
÷自分のコール額=オッズ(倍率)が分かる

・100÷オッズ(倍率)
=必要な勝率が分かる(%)

コールする場面では勝率が大事

トランプ
オッズ計算をしたことで、必要になってくる勝率が分かるとお伝えしましたが、この勝率をざっくり計算することも合わせて重要になってきます。

このオッズ計算をした上で行うコール、オッズコールは、間違いなく勝っている状況であれば考えることは全くありません。

例えば自分がA持ちのフラッシュが完成している場合など、相手からのオールインに対して、フルハウス以上にしか負けていないので、ほとんどの場合コールできるでしょう。

もちろんオールインでなくとも、小さなベットであれば、自分の強いハンドは迷うことなくコール、もしくはレイズが選択出来る状態です。

ではコールすることに悩む状況は、自分が勝っているのか微妙なときで、ここで初めてオッズを計算して、必要な勝率を考えます。

難しいのが現状の勝率、そして負けていそうな場合はドローも考えた上での勝率も計算することで、アウツの枚数なども関係してくるのですね。

最初は当然大雑把な計算でも良いですし、3割勝っているのか、5割勝っているのかくらいが分かれば良いと思います。

ですが時間もゆっくり使えて、考えられる状況であれば、しっかり見極めて計算していくことをおすすめします。

ヒットした際のオッズ計算

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

細かい状況や相手プレイヤーのことを考え出すとキリがないので省きますが、ポットには30BB貯まっている状況で、相手から10BBのベットがリバーで来た場合で見ていきましょう。

自分が10BB出したと仮定するとポット額は合計で50BBになるのでオッズは5倍、必要な勝率は20%で良い状況です。

ボードを見ると分かりますが、自分はAがヒットした状態のトップペアなので非常に強いですね。

相手が勝っているハンドはツーペア、スリーカード、もしくはQTのストレート、同じAヒットのキッカー勝ちくらいしかありません。

厳密に言えば相手のハンドレンジ全体から、勝っていそうなハンド、負けていそうなハンドを一連のアクションから推測するのですが、20%であれば十分コール出来るでしょう。

では同じ状況で、相手がPOTを越える40BBのベットをしてきた場合どうでしょうか?

自分が40BBコールした場合には、POTの合計が110BBになりオッズは2.75倍、必要な勝率は約36%まで上昇しました。

一気にコールすることが悩ましくなり、オッズ計算的に微妙なラインになりましたが、ブラフキャッチするかという判断に変わってくるのです。

このようにオッズ計算は相手のベットサイズにより大きく変わってくるのが面白いところ。

前者の10BBベットであればほとんどの場合でコール、ポットオーバーの40BBベットの場合は、オッズコールは微妙なのでプレイヤー次第でブラフキャッチという流れになります。

ドローハンドのオッズ計算

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

知っておくと強い!フラッシュドロー・ストレートドローなどの戦略・確率は?

続いてはちょっとした応用編で、ストレートドローやフラッシュドローで後々強くなることを考えたパターンのオッズ計算です。

こちら別の記事で、これらのドロー系が完成する確率をお伝えしていますが、これらはアウツの枚数から割り出されます。

このボードの場合、両面待ちのオープンエンドなので、ストレート完成するアウツは8枚あり、確率は約32%となっています。

例えば10BBがPOTに入った状態で、相手から20BBのオールインが飛んできた場合はどう対応しましょうか?

相手プレイヤーがほとんどAヒットしているだろうと状況的に考えられるのであれば、あなたが勝つにはストレートを完成させることがそのまま勝率となるわけですね。

もちろん相手がブラフをしている場合もありますが、そもそも56sはワンペアやポケットペア、KハイやQハイにすら負けるので、ストレート以外の勝ち目はほとんどないと考えられます。

ここでオッズ計算が必要で、自分がオールインを受けるには20BBが必要、そしてPOTは合計で50BBになるので、オッズは2.5倍です。

相手がオールインということは更にチップを獲得出来る可能性もなく、必要な勝率は40%なので、オープンエンドでも意外と割に合わない勝負になってしまうのです。

これがPOTと同額の10BBくらいのオールインだと話は変わってきて、POT額30BBに対して払う額は10BBなのでオッズは3倍、勝率は33%必要なのでギリギリ足りないかくらいのレベルになりました。

このようにショートスタックのオールインなどと戦う時は、特に現状弱いドロー系ハンドは30%の勝率が割に合うのかを考える必要があります。

「割に合う」勝負を放棄してはいけない

オッズ計算
何故ここまでの計算が必要なのか、オッズや勝率を考える必要があるのかは、単純に多くのチップを獲得するためにやることです。

この◯回に1回勝てば良いという考え方は、その時負ける可能性はあったとしても、トータルではプラスになるという期待値の概念なのです。

5回に1回勝てば良いゲーム

・5枚のカードをシャッフルして伏せる 
・1枚は当たり、4枚はハズレで完全ランダム
・参加費は100円
・当たりを引けば1000円貰える

このゲーム、ずっとやり続けることで絶対に勝てることは理解できますか?

ランダムで当たる確率は1/5、5回参加するのに500円かかりますが、当たりは1000円なので、5回で期待値500円増える計算なのです。

パチンコやスロットでの期待値計算などでも使われる考え方なのですが、1回あたりの参加期待値は+100円、やればやるほどお金が増えるゲームになっているのですね。

ただこの確率の面白いところは、偏りや分散で10回連続ハズレも平気で起こるのです。

ここで下ブレだ、勝てないと思い1000円を失ったままやめる人が非常に多いのが、期待値・分散の難しいところですね。

もし自分が正しいプレイをしている自覚があり、オッズも合うのでコールして負けまくったとしても、続けることが正義なのです。

POTとスタックの把握は重要

注意
オッズ計算の話、そしてそれが必要な理由、期待値の概念まで軽くお伝えしました。

初心者が主に意識するべきなのは、POT額と自分、相手のスタックを常に把握することですね。

トーナメントなどでは特に大事で、飛びそうな相手に対してベット、レイズをすると、間違いなくオールインにまで発展します。

それを考慮した上でやっていれば良いのですが、何故かあと1BB出すだけでコール出来る状態でもフォールドする人も意外と多いのです。

GTO的な正しさの前に、そもそもチップを獲得できる勝率が20%で良い状況ならどんなハンドでもオールイン勝負は受けるべきですね。

めちゃくちゃ弱いハンドでも勝率は2割~3割くらいは出るので、オッズを理解することにより正しいプレイが見えてくるはずです。

細かいことかもしれませんが、ポーカーはミスを減らすことが大事、わざわざ自分から期待値マイナスの行動を取ることは一番良くありません。

最初は難しいですし、僕も限られた時間でのオッズ計算は慣れていませんが、感覚的にでも獲得できるチップ量は意識して立ち回ってみてください。