微妙なベットはNG!ショーダウンバリューがあるハンドにブラフは必要ない?

テキサスホールデムにおいて、ボードの5枚が全て揃い、最後のアクションが終わった際にハンドを公開します。
ショーダウンと呼ばれますが、一番最後まで行くことはそこまで多くなく、ハンドが公開されずフォールドで終わることが多いのも特徴ですね。
ショーダウンする際には必ずどちらかが強い、もしくは同じハンドで引き分けもありますが、決着がついた状態なので、負けそうであればブラフでベットする選択肢もあるのです。
今回こちらではショーダウンをする価値がどのようなハンドにあるのか、そして途中でブラフをする必要があるのか詳しく解説をしていきます。
ショーダウンバリューとは?
ショーダウンバリュー(SDV)とは、自分のハンドがショーダウンする価値があるかという考え方。
テキサスホールデムではハンドが2枚配られた時点で参加する強さを持っていても、ボードと絡まなければ全く意味がありません。
多少なりワンペアでも完成してくれると良いのですが、例えば全くボードと絡まず、ハイカードも弱いほぼ負けているような状態でショーダウンを目指しても負ける確率が非常に高いです。
チェックでお互い回り、ヒットがないような状態で、負けていそうならどこかでブラフを打つ必要が出てくるのですね。
逆に、相手が警戒してチェックしてくれて、最後に自分からベットの選択肢がある際に、意外と勝ってそうならわざわざベットすることなく、ショーダウンするという考え方も必要です。
要はベットしても弱いハンドはフォールドするでしょうし、逆に強いハンドはコール・またはレイズしてくるので、何もしないでショーダウンが正解の場合もかなり多くなってきます。
これは初心者がミスしやすい場面で、最後のリバーはすでに決着がついている状態なので、より明確にどのハンドに対して何を目的としたベットをするのか、考えなければいけません。
実際にGTOを軽く交えながら、実際にハンドやボードを例にしてショーダウンバリューについて見ていきましょう。
ショーダウンバリューがない状態
あなたのハンド | 相手のハンド |
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ボードのカード | |
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まずはこちらの状況から見ていきますが、あなたがBTNからオープンして、BBがコールした状態を想定してみてください。
フロップ3枚が開いた状態は、正直やる気が無くなるほど絡みがなく、困った状態になりました。
このハンドであれば6割はブラフベットして、4割はチェックで回すことが推奨されており、フォールドしてくれそうな相手なら積極的にベットするべきでしょう。
今回はショーダウンバリューの解説なので、お互いチェックで回ったとしましょう。
ターンで落ちた♦9ですが、これも微妙なカードで「QT」がストレートを完成した形ですが、それ以外状況は全く動いていないです。
BBはフロップに引き続きチェックを選択、BB側もQかTを持っていないとブラフがしにくい状況で、チェックで回すハンドは非常に多いですね。
2回目のチェックに対して、「56s」のハンドであれば、ここでもチェックが推奨されており、ブラフをする局面でないことが分かります。
あきらめに近いような状況は結構多く、このようにフロップ・ターンとお互いにチェックで回る状況は多いのではないでしょうか。
そして最終リバーにて、一応オリジナル側に強いとされているAが開き、BBはAかKをヒットさせているなら打ってくる状況になりましたね。
もしBBが3度目のチェックで手番を渡してくれたのであれば、あなたが最後にやることは果たしてどうなるのでしょうか?
「56s」の項目は真っ赤になり、ショーダウンバリューがないからしっかりブラフで相手をフォールドさせろということですね。
相手が諦めたフリかもしれませんが、流石に3回全てチェックで回して、AやKヒットしている状況の方が考えにくいので、負けていそうなハンドは全てベットが推奨されています。
ショーダウンバリューがある状態
あなたのハンド | 相手のハンド |
---|---|
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ボードのカード | |
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では次に自分のハンドが「88」だった場合、ポジションやBBのチェックで回す行動が変わらないものとします。
そうなると結局変わってくるのがリバーでのアクションであり、ハンドレンジ全体で推奨されるプレイが変わってくるので、こういった比較ではGTOWizardが非常に便利です。
見ていただければ分かる通りですが、ミドルポケット含めJヒットや9ヒットなどの微妙なワンペアは全て緑色でチェックが推奨されており、ベットする必要は一切ありません。
これがショーダウンバリューがある状態の考え方で、ベットしても相手の強いハンドにはキャッチされ、弱いハンドにはフォールドされるのです。
冷静に考えると、「88」が勝っているのは相手のハイカード、もしくは8以下のワンペアになりますが、もしリバーでベットしてもフォールドされることが多そうではありませんか?
それに対して相手がJワンペア以上ヒットしている状況だとコールされるので、コールされる=ほぼ負けている状況になってしまうのです。
この状況でベットするのは明らかにミスであり、ベットするべきなのはAヒットやKヒットなどでJや9に向けて打つバリューベット、もしくはハイカードに降りてもらう76sや56sなどのブラフベットの2択となるでしょう。
中途半端なワンペアでは、最後までチェックで回しショーダウンを目指したほうが結果的に勝ちやすいですし、期待値がある行動と言えます。
戦う相手には要注意
どのアクションや記事でも言っているような気はしますが、これらの話は全てある程度知っている相手と戦う際の考え方です。
「56s」の局面では、相手のハイカードが降りてくれる前提で、ベットした方がお得となりますが、相手がハイカードだろうと何でもコールするプレイヤーだと打つだけ損になるでしょう。
そのような初心者のことをコーリングステーションとも呼ばれていますが、とにかくブラフベットが通用しません。
ハイレートで強い人達が集まるオンラインポーカーではなく、日本の無料ゲームアプリや、ライブポーカーの初心者相手だと必ずこのようなプレイヤーは相手にすることになります。
結局セオリーが通じないのであれば、自分がセオリー通りプレイしていても意味がなく、どこかで大きく取れる部分を探して行くべきですね。
例えばコーリングステーション相手であれば、バリューベットの際に大きく打つ、ブラフベットはしないようにするだけでも、明らかにチップを稼ぎやすくなるでしょう。
ですがそれに気付くのが遅れることが一番の損失になりますので、同卓するプレイヤーの傾向を知るためにも、このような考え方はぜひ覚えておいて、柔軟に対応出来るようにしましょう。
ショーダウンバリューの考え方を知らないと、とんでもないミスベットを繰り返している可能性もあるので、しっかりと考えてベットすることをおすすめします。