なぜこんなにオールイン出来る?パワーナンバー・CSI・M値の使い方

オールイン

テキサスホールデムでは、チップが少なくなってくると十分に戦えず、オールインするしかない状況が必ず来ます。

キャッシュゲーム・リングゲームの場合はプリフロップからオールインに発展することは少ないですが、問題はトーナメントの方です。

ブラインドが上昇し続けることで、どこかで必ずオールインする状況になりますね。

ただし良いハンドが連続で来るわけでもなく、どのくらいのハンドでオールインするかの目安となるのがパワーナンバーです。

こちらではそんなパワーナンバーがどのように使われているのか、ICMとはどのように関係するのか詳しく解説をしていきます。

仕組みを理解するとパワーナンバーでオールインすべき状況が多い理由が分かります。

オールインを活用する仕組み

決まり
テーブルに置いているチップをすべて出すオールインは、様々な状況で使われます。

単純に強いハンド、完成した役が強いときだけに使われるものだけでなく、相手をフォールドさせるためにブラフとしてオールインをする場合もあります。

初心者が間違いやすい!オールインの仕組み・計算方法・タイミングは?

初心者向けとしてこちらの記事で解説していますが、基本的にプリフロップではスタックが少ない時にオールインに発展しやすいです。

フロップ・ターン・リバーと進んで最後にオールインまで発展することは十分なスタックがあっても起こることですが、100BB持ちでいきなりオールインすることはほぼ無いでしょう。

ですので冒頭でもお伝えした通りですが、スタックが十分にあるキャッシュやリングより、トーナメント方がオールインが頻発します。

自分がいつどんなハンドでオールインをするのか、その明確なラインを状況から割り出せるのが今回説明するパワーナンバーの役割ですね。

パワーナンバーとは?

疑問
パワーナンバーとは簡単に言えば、トーナメントでどのくらいのスタックで、後ろに何人いる状況でオールインすべきか?を数値化した表のこと。

強いハンドでオールインするのは当たり前ですが、例えば後ろに1人しかおらず10BBほどのスタックでは、かなり多くのハンドでオールインが推奨されます。

相手がフォールドしてくれる可能性、スチールに成功した際のスタック増加など、様々な要因がありこの数値が成り立っています。

因みにこちらのパワーナンバー表は、2009年にポーカーニュースというフランスの海外サイトに掲載されて、今でも参考にされている仕組みなので、かなり長い期間使われていますね。


参考サイト:Poker news

とある計算をして、この数字よりも小さいとオールイン推奨されるもので、数字が書いていない赤い部分はどんな状況でもオールイン。

逆に黒くなっている部分はオールインすることは無い弱いハンドということになります。

常に持ちスタックは変わっていくので、数値を覚えることは大事なのですが、その前に知っておくべきことがトーナメントでの賞金期待値の話。

知らないとパワーナンバーの意味も分からず使うことになるので、まずはトーナメントにおけるスタックの価値を知ることから始めてください。

ICMを必ず理解していないと使えない


ICMとはトーナメントにおけるスタック量と賞金の関係性から、アクションを変える考え方です。

トーナメントでの目的はチップをコツコツ増やすことではなく、決められた順位に入り入賞することが第一の目的となります。

簡単にいえば、本来ならオールイン勝負出来る強めなハンドでも、賞金が上がりそうならフォールドしたほうが得になる状況の考え方です。

少し難しい考え方なので、別の記事で詳しく解説している内容を把握した上で、パワーナンバーについて学ぶことをおすすめします。

ポーカーで賞金、順位ポイント意識する「ICM」の考え方・戦略

実際はパワーナンバーを暗記して当てはまる状況でオールインをすることだけでも良いのですが、なぜそれをするべきなのかは、ICMが関係していることなのですね。

相手が賞金期待値を考えてフォールドすることが増えるので、オリジナルがオールインするレンジが広がることが正当化されるのです。

パワーナンバーを計算してみると分かるのですが、こんなハンドでオールインして良いの?と思うことばかりでしたが、ICMを理解することで納得しました。

自分からオールインすることは相手にかなりプレッシャーを与え、数学的にもコールできるハンドが少なくなるので、自然とガンガン打つことが正解になるのですね。

CSI・M値とは?

チェックリスト
さて、本題のパワーナンバーについてですが、その数値を出すためにはCSI、M値と呼ばれる計算が使われます。

CSI(Chip Status Index)は日本語では「チップの価値指標」という意味があり、現在持っているスタックでどこまで生き残れるかを表した数字のことです。

ポール・マグリエルさんが考案したことから「M値」と呼ばれることも多いようですね。

トーナメントの場合、自分のスタック数そしてブラインドとアンティの比率をまずは計算してM値を出します。

M値の計算方法

M値=自分のスタック÷POT額
POT額:SB+BB+アンティ

例)自分が10BB、POTに2BBの場合
M値=10÷2=5

これが現在のM値となりますが、実際に使う数字では後ろに何人いるかも考慮する必要があるのですね。

そのことを有効M値と呼び、それを計算して始めてパワーナンバーに当てはめて使うということになります。

有効M値の計算方法

有効M値=M値×後ろの人数

例)自分がBTNで10BB
POTに2BBの場合

M値=10÷2=5
有効M値=5×2=10

パワーナンバー表

先程のパワーナンバー表を個人的に見やすく纏めたものがこちらですが、有効M値が10以上のハンドであれば、全てオールインが推奨される状況ということです。

POTの2BBに対して10BBがそもそもスタックとして少ない状態だから、後ろに2人しかいなければ、この表だと青以上のハンドはすべてオールインした方がお得ということですね。

座席で見るとこんな感じですが、あくまでこのパワーナンバーは自分のスタックとPOTの額のみで割り出されたものですので、後ろ2人のスタック数は関係ありません。

逆に後ろ2人がコールするのは、ICMを考慮した更に強いハンドでしか出来ないため、多くの場合はスチール成功する形となるでしょう。

M値単体でオールインを考え出す目安は?


こちらも個人的にM値を簡単に纏めたものですが、大体はこのようなイメージですね。

多くのトーナメントの場合、途中からアンティが発生して最低でも2BB近くがPOTに入っている状態が多いです。

自分のスタックが40BB以上あれば基本的にはM値が20以上の状態なので、あまりトーナメントを意識せず普通のプレイに集中するとOKです。

ただしどんどんスタックが少なくなる、POTとの比率が小さくなるにつれ、オールインを狙わないといけなくなるのです。

初心者で結構あることは、強いハンドが来るまで降り続けジリ貧になることはかなりマイナスの行動と言えます。

少し弱いと感じたハンドでも、後ろの人数が少ないと積極的にパワーナンバーに基づきオールインすることが生き残るために必要なアクションということですね。

それでコールされて強いハンドが出てきても、そのときは仕方ないこと、それでも最低20%~30%は勝てる可能性があるわけですから、全然希望はあります。

何もしないでフォールドし続けることがどんどんスタックが小さくなるので、早い段階で作戦を考えておきましょう。

後ろのプレイヤー次第でアクションは変わる


ICMの記事でもお伝えしたことですが、パワーナンバーはあくまで、お互いがICMを理解しているとき、初めてプラスになるアクションです。

例えば後ろにいるプレイヤーが、絵札で必ずオールインコールするプレイヤーの場合、あなたはどのようにプレイするでしょうか?

有効M値が10以下の状態で「T6s」などオールインが正しいハンドでも、J以上の絵札にすべてコールされるのであれば50%くらいの確率で上を取られた戦いになってしまいますよね。

本来ならICM上、BTNからの10BBオールインに対して、SBやBBはKハイ~Jハイでコールすることは正当化されないアクション。

ですが初心者やICMを知らない人からすると、雰囲気やハンドの強さのみでコールするかどうかを決めているということです。

もしそのような場合はパワーナンバー通りを考え無しにやってしまうことは良くないことかもしれないのですね。

GTOから外れたプレイヤーに対してのエクスプロイトと同じように、パワーナンバーは基礎として知っておき、後ろのプレイヤーにより上手く調整することが個人的には一番良いと思っています。

逆にタイト過ぎるプレイヤーに対してはパワーナンバー以上にガンガンオールインすることが正当化されるでしょう。

トーナメントでは重要な指標の一つ

順番
パワーナンバー・CSI・M値をすべて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ICMに関しても同じことは言えますが、トーナメントでは非常に重要な考え方となるでしょう。

もちろんトーナメントに良く参加している強いプレイヤーはこの辺のことを全て把握しているでしょうし、同卓するプレイヤーによって必ず立ち回りは変えているはず。

そのプレイスタイルを決める指標として、やはりICM・パワーナンバーの考え方を身に着けるのは必須でしょう。

キャッシュゲーム・リングゲームでフロップ以降のプレイラインを学んだとしても、トーナメントの戦い方は全然違います。

もしトナメをメインとして戦うのであれば、ぜひICMの記事とこちらも合わせてゆっくり読んで活用してみてください。

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