CBを打たなかった相手にIPが打つ「BMCB」の使い方と対策

2022年8月23日

テキサスホールデム

テキサスホールデムではポジションの優位性は非常に大事な要素の一つです。

フロップ以降のアクションが後になるインポジション(IP)は、相手のアクションを見た後にプレイできるため有利なのは知られています。

今回ご紹介する「BMCB」とは、そんな有利なポジションがフロップで相手のチェックを見てすかさずベットする戦略。

どんなときに有効なのか、CBやドンクベットとどう違うのか?またBMCBを使う理由や対策も合わせて考察していきます。

BMCBとは?

BMCB
BMCBとは、「bet to missed CB(ベットtoミスドCB)」で、日本語ではCBをしなかった人に対してのベットの意味を持ちます。

CBとはオリジナルレイザー(アグレッサー)がプリフロップに続きフロップでもベットすること。

このBMCBはアグレッサーより後に、コーラー側がベット出来る状況で使われ、ドンクベットとは違った意味合いを持った難しい言葉です。

レイズに対してコールした側は、ポジションが悪い場合レイズした人に手番を回すためチェックするのが一般的で、ドンクベットするのはセオリー的にも良くないことだと言われています。

このBMCBはアグレッサーがチェックで回した後にベットすることなので、頻度として自分がベットしても問題ありません。

例えばCOのレイズに対してBTNがコール、フロップのアクションでCOがチェックで回した際に、後ろからBTNがベットすることです。

BMCBを打つ一連の流れ


ではBMCBを打つ流れをもっと分かりやすく見ていきましょう。

このように6人テーブルのリングゲームで、COからオープンレイズ、それに対してBTNがコールドコールした状況で考えていきましょう。

アクションの流れ

・フロップ3枚が開く
・OOPのCOからアクション開始
・全体で6割くらいはCBを打つ
・チェックで回すこともある
・CBに対してはコールorレイズ
・チェックに対してチェックorBMCB

コーラー側がIPであるから使えるベットがBMCBで、例えばこれがBBでコールした場合だと、COより先にアクションすることになります。

その場合GTO的にもフロップでBBはほとんどがチェックで回すことが推奨され、相手のアクションを見ていないのに先打ちすることはドンクベットと呼ばれているので、全く別物として考えると良いでしょう。

僕も最初は「コールした後はチェック」と初心者が覚える基本に忠実で、IPでもとりあえず1回はチェック、4枚目のターンが開いてからベットを検討すると思っていました。

ですがプレイライン的にもBMCBはよく使われることですし、ノーヒットでチェック多用するプレイヤーには有効な戦略となります。

実際のハンド・ボードで検証

COのハンド BTNのハンド
ボードのカード

では更にハンドとボードを見ながら、BMCBがどのような意味を持っているのかを考えながら話を進めていきます。

プリフロップでは、COの「KJo」に対してBTNが「7ポケ」でコールドコールを選択して、他のプレイヤーがフォールドした状況ですね。

もちろんプリフロップの時点で3BETする頻度はそれなりにあるのですが、このようなミドルポケットペアはコール止めでも全然問題ありません。

スタック状況やプレイヤー次第でどうするかをその時々で判断していきましょう。

まずはCOのアクションですが、このようなドライボード、ローボードよりだとCBを打つ頻度はほとんどありません。

何でもCBを打つプレイヤーもいますがハイポケットペアでもチェックレンジに混ぜることにより、バランスをよくすることが大事です。

ツーペア、セットが完成していてもほとんどチェックであることからも、まくり目が少ないドライボードだからこのように潜る選択が正当化されるということですね。

ではCOがチェックしたアクションを見た後に、BTNのプレイヤーがBMCBを打つ割合はどのくらいになるのでしょうか?

赤がベットでチェックよりも多く、全体的には60%ほどがBMCBを打つことを推奨しています。

ベットサイズはほとんどのハンドで1/3POTベットの割合が多く、CBと同じような感覚でフロップで小さなベットをするイメージですね。

自分がヒットしていると当然ハイカードへ向けた欲しいバリューベットの役割になるでしょう。

もしヒットしていない場合でも、BTNのコールドコールレンジにそもそもポケットペアが多いので、それを警戒してフォールドしてくれる可能性があります。

面白いのがBMCBを打たれたCOの対応で、このようにレイズを返す・コール止め・フォールドのハンドがそれぞれ均等、綺麗に分かれています。

今回例に使った「KJo」の場合は少し見にくいですがフォールド多め、ツーオーバーなので、持っているマーク次第でアクションを変えるような形になっていますね。

ボードには出ていない♠持ちだと相手のバックドアフラッシュドローを抑えていないので、フォールド多めみたいな形です。

そして一部レイズが混ざっているのは、本当に強いハンドとブラフでチェックレイズを選択することが、BMCBへの対策になるわけですね。

チェックレイズの頻度を上げる?


先程のCOがチェックレイズした場合、どの程度までコールするかがこちらです。

レイズ額は多くの場合で、相手がベットしてきたサイズの3.5倍ほどが推奨されていますね。

このように基本的にはヒットしていないハンドに関してはフォールド、そしてワンペアあればギリギリコールして、ターン次第でまた決めるという流れですね。

ここからはBMCBをあまり分かっていないプレイヤーへの対応ですが、結局このような推奨されるプレイラインは多くの場合あてにならないことが多いので困ります。

特に初心者ではチェック=弱い、ヒットしなかったと思い、IPだと相手のチェックに対していきなりPOTを打つようなプレイヤーも多いのですね。

長く同卓するプレイヤーだと、自分のチェックは弱くないぞとどこかで見せないと分かってくれないパターンもあるので、そういった場合はかなり強いハンドでもCBを打たない方針にしても良いかなと思います。

しっかりと強いハンドでもチェックをして、相手のベットに対してレイズすること、ついて来るならターンからも打っていけますし、フォールドしてくれるなら十分な牽制になったことでしょう。

ただし、相手がそのようなブラフを多用するプレイヤーか、それとも単純にヒットしているから打つプレイヤーかは、しっかりと見極めた上でチェックレイズは使うことをおすすめします。

しっかり知っておくと意図が分かる

目標
今回はIPが打つBMCBについて解説してきましたが、意外と使う場面は多そうな気がしますね。

例えばモノトーンボードで、OOPのアグレッサーはそのマークを持っていないと打ちにくいでしょうから、多くの場合はチェックするでしょう。

そのような場合でもIPからは先程と同じようなベットをすることで、安く相手のハイカードを降ろせるチャンスになるわけですね。

やはりテキサスホールデムではこのような相手の出方により戦略を変えられる有利なポジションで参加することは大事です。

逆に自分がCBを打たなかった局面で、相手がどのようなベットをしてくるのか、どんなハンドが出てくるのかまで分かると、意図が分かり戦いやすくなります。

あまり考えてない人も多いでしょうが、どんなハンドがどんなベットアクションで攻めてくるのか、知っておくことで間違いなく勝ちに繋がりやすくなるでしょう。