ポジションやCBに特徴あり?3BETPOTの戦い方・戦略
テキサスホールデムでは基本的に参加した時でしか大きくチップの変動はありません。
強制参加費のブラインドはありますが、2BBのレイズやコールで即フォールドしていれば、正直チップはそこまで大きく減ることはないでしょう。
ですがそれでは当然増やせないので、強いハンドの際にはチップを上乗せする3BET(リレイズ)が多く選択されます。
今回はそんな3BETによりPOT額が膨らんだ際の基本的な戦い方・考え方をポジションや環境も含めて解説していきます。
3BETPOTの特徴
ある程度のセオリーを覚えて座学を進めていくと、ハンドレビューの解説などでかなり3BETPOTが取り上げられています。
この理由ですが、チップの動く量が大きく強いハンドがぶつかっているからこそ、なるべくミスがないように戦い方を覚えておく必要があるからですね。
テキサスホールデムでは基本的にオープンレイズに対してコールで参加、小さなPOTから戦いが始まることが一番多いです。
ですが誰かがレイズした後ろに強いハンドのプレイヤーがいた場合、多くの場合はしっかりと3倍~4倍ほどのリレイズを打ち返すことでPOTが大きく膨らみます。
それに対してコールを選択した場合、プリフロップの時点でPOT額が通常よりも多くなりチップ増減に大きく影響するわけですね。
せっかくならPOTを獲得したい気持ちはありますが、相手は当然強いハンドを持って3BETする、もしくはコールするので、逆に大きくチップを失う可能性もあるので慎重にプレイすることをおすすめします。
ポジションの有利・不利は必ず確認
もし自分が3BETを打つ際は、すでにポジションの早い人からレイズが入った状態でやることなので、後半にアクションするポジションにいることが多いです。
COやBTNだと有利なポジションであるインポジション(IP)なので、フロップ以降も相手のレンジ、ボードを読みつつ戦いやすい状態になりますね。
ですがSBやBBからの3BETだと、アーリーポジションにコールされた時点でアウトオブポジション(OOP)なので、かなり戦いにくい状況になってしまいます。
それを踏まえた上で考えないといけませんし、それが理由で基本的にポジションがない場合は大きめな3BETを打つことが推奨されています。
例えば6MAXの100BB持ちキャッシュゲーム、GTOWizardで見ることの出来るプリフロップのアクションでは、上の黄色で囲ったRAISEの額に注目すると、ポジションが悪いSBとBBは3BETサイズがかなり大きくなっています。
特にSBは一番ポジションが悪いので、オープンレンジが広めでなおかつポジションの良いBTNからのレイズに対して、コールドコール(コール止め)することはほぼありません。
BTNに対するSBのアクションは中途半端なハンドは全部フォールド、そして参加するなら大きめな3BETが推奨されていますね。
ただこれはあくまでGTOに沿ったプレイなので、実際には低レート環境やアプリ環境などでは、SBでのコールドコールは非常に多く見られます。
ですがどんな環境でプレイしていても、やはりポジションの有利・不利だけは変わりませんし、なるべくフロップ以降は有利なポジションで戦いたいですね。
自分が3BETに対してコール側に回ることもありますので、どこからの3BETなのかに注目してアクションを決めましょう。
3BETPOTのフロップ戦略
100BB持ちキャッシュゲーム、BTNのオープンレイズに対してSBが12BBの3BETをしてコールでフロップに進んだ場合で見ていきましょう。
お互いがある程度レンジを守りプレイしているのであれば、その時点で戦っている想定ハンドはかなり絞られてきます。
BTNがコールするハンドはスーテッドハンドやポケットペアなどが多い印象で、実際にはもう少し幅広くコールするプレイヤーは多いです。
ですが流石に弱すぎるハンドでコールすることは初心者だとしてもあまりないので、2枚とも絵札のオフスート、ポケットペア、スーテッドハンドの3種類に絞れるかなと思います。
逆に自分がBTN側でSBから3BETされた場合には、Aハイ・ポケットペア・プレミアハンドなどかなり強いことが多いと考えておきましょう。
お互いに強めなハンドがぶつかりあっていることで、ポジションが違ったとしても大体このような想定をした上で戦うことになります。
SBのハンド | BTNのハンド |
---|---|
|
|
ボードのカード | |
|
ではこのような感じになり、あなたがSBで3BETを打った側だとして、フロップのアクションはどうしましょうか?
基本的にAが出たレインボーボードではセオリーとしてやることは大体決まっている感じです。
はい、先程もお伝えしましたが3BETを打った側にAが多く含まれ、コーラー側にはスーテッドハンドやポケットペアが多く含まれる状況です。
ですのでノーヒットのスーテッドハンド系をフォールドさせるためにレンジでCBを打つことが推奨されます。
かなり小さな20%POTベット、もしくは33%POTベットを8割以上の頻度で打つことになるでしょう。
3BETした側は、ボードに関わらず多くの場合はCBを打つことが多いという前提で戦うとよいかもしれません。
CBに対してBTNはペア系であればほとんどがコール推奨になりますね。
もしセットが完成した7ポケ、3ポケなどでも多くの場合はレイズを返さずにコールが多めになっています。
3BETPOTのターン戦略
SBのハンド | BTNのハンド |
---|---|
|
|
ボードのカード | |
|
ターンでJ♣、どちらにもJ持ちはあり得るのでマークも違い特に大きな発展はあまりないような状況ですね。
ここでもSBからのアクションになりますが、当然のようにまたベットする頻度が多くなっています。
細かく見ていくと「AA」や「JJ」などかなり強いハンドはほぼチェックですが、それ以外は全て20%POTベットが推奨されています。
基本的に3BETPOTは打ち過ぎると激しくなりすぐにコミットしてしまう傾向にあるので、フロップ・ターンともにPOTオーバーのベットはほとんどありません。
フロップで20%、ターンで33%と2発打たれることで、ポケットペアなどはギブアップ、もしくはセットやツーペアと混ぜてブラフレイズを返すようなアクションもバランスとしてありますね。
今回のハンド例に選んだ「88」はオーバーカードが2枚出た状態で2発打たれたことからフォールドが推奨されています。
3BETPOTのリバー戦略
SBのハンド | BTNのハンド |
---|---|
|
|
ボードのカード | |
|
「88」がターンで諦めだったのですが、BTNのハンドがわからず2発コールされた場合で考えていきましょう。
このような形で「KTs」が綺麗にスベった形となり、リバーでラグに近いカードが落ちた場合、どうするのかを詳しく見ていきます。
レンジ全体で見てもリバーでも3発目を打つ割合がかなり上がっていますね。
3BETを打った側に有利になボードですし、フラッシュ完成はなく、ストレートの24などもあり得ないでしょう。
考えられるのは♦のフラッシュドロー滑り、もしくはAヒットやJヒット、そして本当に強いハンドが残っている状態ですね。
今回の例である「KTs」はかなり負けていることもあり、明確に降ろせそうなハンドも残っているので、打つことが推奨されています。
注目は「K♦T♦」は100%チェック推奨の部分でしょうか。
自分がフラドロ滑りの場合、先程挙げた残っているハンドから、相手のヒットしている割合が極端に上がってしまうため、あきらめチェックということですね。
ラストはSBのアクション、今回はBTNが33%のベットをしてきたとして、レイズ返す・コール止め・フォールドがそれぞれハンドにより均等という形です。
さすがにフラドロ滑りは最後にギブアップですし、AヒットやJヒットはコール止め、強いハンドとかなり弱いハンドを混ぜてオールインを返すなどのアクションになります。
そもそもレンジが違う可能性あり?
一連の流れである程度のアクションを解説しましたが、これはポジションごとの3BETレンジやコールレンジがGTOに近い場合のことです。
実際にノーレート、低レート環境ではとんでもないハンドで3BETに対してコールするプレイヤーも多いですからね。
多くのプレイヤー、特に初心者層に多い特徴として、3BETをするハンドはかなり狭く、3BETコールするハンドはかなり広め、このような傾向があると考えています。
理由はそもそもライト3BETすることを知らない、あまり出来ないと考えている、そしてコールする際にはすでに3BB前後のチップ出してしまったから戦いたいという思考があるからですね。
ですので自分が3BETを打たれた場合、相手のハンドは強いことが多い前提でオーバーフォールド気味に戦って良いかもしれません。
逆に自分の3BETに対してコールされた場合は、フロップだけ見て諦めるプレイヤーも多いので、積極的にCBを打つ、もしくはCBに対してレイズを返すなどが正当化されるでしょう。
通常のPOTより相手の傾向を見ること
通常のレイズに対してコールで戦うシングルレイズドポット(SRP)では、レンジも広いことが多いですし、POT自体が膨らむことも少なめです。
ですが3BETPOTではそもそも多くのチップがPOTに入っているため、取ろうとしてオーバープレイするプレイヤーはやはり多いですね。
とりあえず何も考えず3発打っておけば降りるだろうとアグレッシブに戦うプレイヤーもいますし、ガンガン3BETしてくるプレイヤーと戦うことも避けられません。
大きいPOTを争うからこそ、相手がどのようなハンドでやってきているのか、それに対してコールだけではなくレイズを返すことも覚えないとガンガン押される可能性もあるので注意しましょう。
・相手の傾向、ハンドレンジをしっかり想定
・打つ際は大きくなりすぎず小さめに
・お互いの残りスタックはしっかり把握
・コミットしそうならALL-INorFold
リング・トナメなどの環境にもよりますが、50BB前後しかない場合には打ち合うと間違いなくオールインまで発展します。
100BBだと余裕はあるのですが、それでもオールインまでの道筋はあるということは覚えておかないと、入れすぎて後には引けない形になってしまいます。
相手次第、スタック次第で打つ判断や額は変わることだけは頭に入れてプレイすることをおすすめします。
こちらでの戦い方はほんの一部でしかないので、3BETで大きく動いた局面はしっかりとスポットごとに振り返るようにしておきましょう!