ドローハンドは降ろしたい!プロテクションベットの使い方と対策

テキサスホールデムでは、ラウンドやポジションにより様々なアクションがあります。

プロテクションベットもその一つで、大まかな意味として、自分のワンペアなどを守るためのベットとして使われ、ブロックベットとはまた違った意味があるので注意しましょう。

今回はそんなプロテクションベットを使う場面、それに対する対策などをお伝えしていきます。

自分がドロー系のハンドを持っていた際、どのように対応するのかも合わせて見ていきましょう。

プロテクションベットとは?

プロテクションベット
プロテクション、プロテクトするとは日本語で「保護する、防御する」の意味を持っています。

テキサスホールデムにおけるプロテクションベットとは、自分の弱い完成ハンドを相手の強いドローから守るためのベットとして使われています。

相手のドローハンドを持っている場合、例えばフラッシュドローだと9枚のアウツなどオッズとアウツを計算して、相手の割に合わない額のベットサイズを選ぶことが重要ですね。

小さなベットであるほど相手がついてきてしまうので、75%POTベットや場合によりPOTオーバーベットでコールさせないようにすることが目的のベットです。

自分の弱い完成ハンドというのは、主にワンペアのときに考えることが多いでしょうね。

「AA」などの最強のポケットペア、オーバーポケットペアなどが完成していても、フラッシュやストレート、ツーペアにさえ簡単に負けてしまうので、しっかりと相手のハンドを読んで、ボードも考慮して戦う必要があります。

エクイティを確保する必要性


ザックリとプロテクションベットをお伝えしましたが、このベットには相手に逆転されないこと、早めにフォールドしてくれた方が良いまであるということです。

よく解説動画などで、それぞれハンドの勝率が%で表示されているのは見たことありますよね?

それが現時点でのエクイティ、それぞれのPOTの取り分として勝率が出されているのですが、自分がハイポケットペアを持っていても相手にエクイティは全然残っています。

プリフロップの時点で最強の「AA」でも、ボードと相手のハンド次第では分からない勝負になってしまうのがポーカーの難しいところですね。

オッズカリキュレーターにこのような場面を入力していますが、よくあるオープンエンドストレートドローで、現時点では勝っているけど結構逆転される可能性があります。

自分のエクイティを守るため、そして相手のエクイティを奪うためにも、プロテクションベットは大きなベットをして相手のオッズを消すことが目的となるでしょう。

この考え方の注意点として、初心者やタフコールするプレイヤーには気をつけるべきで、POTベットを打っても全然ついてくるプレイヤーも多いので、しっかり相手は見て考えましょう。

では実際にハンドとボード、そしてGTOwizardを見ながらベットする場面を考察していきます。

フロップから大きなベットをする場面


では100BB持ち、キャッシュゲームでBTNからのオープンレイズに、BBがコールした局面で考えていきましょう。

上で「AA」を使った例を出しましたが少し特殊な立ち回りにもなるので、「KK」でオープンした場合で見ていきます。

BTNのハンド BBのハンド
ボードのカード

フロップのアクションはBBからですが、ここはドンクベットになるので、このようなドローがついていても基本はチェックで回します。

問題はKK側で、このようなボードの場合どのようなアクションが選択されるのでしょうか。

このような形になっていますが、ベットとチェックする全体の割合自体は半分くらいです。

ただしベットする場合は、濃い赤が多く割合としてあるので、GTOwizardではベットサイズが大きいことを意味しているのです。

少し見にくいかもしれませんが、ハンドのマーク違いでどのようなサイズが推奨かまで表示されるので、復習する場合には非常に便利ですね。

状況的にはPOTに5.5BBが入っている状況なので、BET6.9は125%POTオーバー、BET4.1は75%POTのサイズが推奨される場面なのです。

特にJJ~KKのオーバーポケットではこのように大きめサイズを打つこと、そしてKハイ、Qハイなどもそのサイズにブラフと混ぜて高く打つことが多くなっています。

もちろん必ずこのサイズで打てというわけではなく、あくまで割合が高いということで、相手プレイヤー次第ではしっかりPOTオーバーも打っていきましょうということですね。

フロップでPOTオーバーが飛んできた対策

続きになりますが、フロップのPOTオーバーベットが飛んできたとして、オッズ計算から考えると必要勝率は35%くらいで、それ以上ありそうであればコールする必要がある場面です。

ということは、例として出している「89s」はオープンエンドでコールすること、そしてTヒットや7ヒットなども頑張ってコールすることが推奨されています。

当然ですが、ドローがあるからといって打ち返す場面ではなく、この大きなオーバーベットに対してレイズを返すのはツーペア、セットのいずれかしかありません。

対策になるとは言いませんが、オリジナル側からのフロップPOTオーバーはかなり強いorその周辺のドローを混ぜたブラフしかないので、コーラー側は素直にプレイすることが良いでしょう。

ターンで完成ハンドがない場合

BTNのハンド BBのハンド
ボードのカード

BTNがフロップで125%POTベット、BBがコール、そしてターンで「7♦」が開いてストレートなど完成しなかった場合を見ていきましょう。

BBからのアクションですが、このまま進めていくと面白いことになりました。

踏ん張ってコールした全レンジで、小さなドンクベットを打つという状況になりましたね。

先程の赤と比べると全体的に薄いことが分かるでしょうが、POTよりかなり小さなサイズでブロックベットを先打ちするということです。

因みに推奨されているベットサイズは20%POTベット、普段打つような33%よりもさらに小さなベットをして、相手の様子を伺うアクションです。

「89s」のハンド単体で考えると、ターンでドローが引けなかったのでアウツが8枚、約16%でストレート完成なので、安くリバーを見に行くためのベットとなるでしょう。

プロテクションベットとは別の使い方、ドローを安く見に行くブロックベットの記事も作成しているので、こちらも分からない場合は合わせてご覧ください。

ではこの小さなベットに対して、果たしてKKはプロテクションベットとして大きなレイズを仕掛けるのでしょうか?

基本的にはハイポケットペアでもこの時点では激しく打たずにコールで止めることが推奨。

プロテクションベットはあくまで自分が勝っていることが非常に多い状況でエクイティを守るために使う方法ですね。

フロップの大きなベットにコールされた時点で、ドロー滑りもしくは本物の強いハンドしか残っておらず、そもそも勝っているか微妙な状況に変化したということです。

このようにターンのカード、リバーのカードで何が落ちるかによって大きくアクションする意味が変わってくることは覚えておきましょう。

リバーを安く見せないようなベット

BTNのハンド BBのハンド
ボードのカード

先程はターンで警戒して諦めになりましたが、極端な例としてこのようなツーペアは現状セット以外には負けていない状態ですよね。

ただし2種類のフラッシュドローそしてストレートも完成しそうな状況ではありますが、相手のアウツが多いのはフラッシュとストレートドローが重なっている場合のみ。

多くの場合は9枚以下のアウツになるので、このような場合は当然ハーフより高いベットを選択しないといけません。

これもターンで打つプロテクションベットの一つであり、しっかりとオッズが分かっているプレイヤーであれば、オープンエンドでも割に合わずフォールドしてくれるでしょう。

逆にチェックで回すことは、相手がタダでドローを見れることになってしまうので、明らかなミスプレイに分類されるかもしれません。

最後の1枚までどうなるか分からない状況では、今強いハンドはしっかり守っていきましょう。

初心者に通用しないことだけが注意点

段階
今回はプロテクションベットについて、なるべくGTOを参照しながら解説してきましたが、これが正しいとは限りません。

というのも、オッズが合わないからフォールド、アウツが少ないからとしっかり計算して降りてくれる人に対して有効な戦略。

初心者で自分のハンド、ストレートやフラッシュになると強い!と思って最後までついてくるプレイヤーは非常に多い印象です。

それが悪いことではないですし、自由なプレイを批判することは出来ませんので、自分が注意するしか回避する方法はないのです。

特にスタックが1発で無くなるようなトーナメント形式の場合、大きなベットをする場面はしっかり考えていきましょう。

フロップ、ターンと打ってコールされて、リバーでオールインまで行きたくなりますが、タフコールするプレイヤーが3割近く完成ハンドを持っていることもあるので、冷静に分析して使ってみてください。