打たれる前に自分から打つ!ブロックベットの使い方と対策
テキサスホールデムにおけるブロックベット。
ラウンド中に様々なアクションが行われ、駆け引きを楽しむことがポーカーの醍醐味ですが、ブロックベットもその1種。
なんとなくの意味で相手からのベットを守るために使うものと認識しているかもしれません。
今回はそんなブロックベットを使う意味、そしてどのような際に戦略として成立するのか、対策も交えて詳しく解説していきます。
ブロックベットとは?
テキサスホールデムにおけるブロックベットとは、ポジションがないプレイヤーが相手のブラフを防ぐために使うベットのことです。
ポジションがない状態とは、フロップ以降のアクションが先になることを意味しており、自分がチェックして回すと相手は好きに打ちたい放題になってしまいますよね。
それを防ぐために、自分から仕掛けておこうというのが、ブロックベットの大きな解釈として知っておくと良いです。
相手のドローハンドから完成ハンドをプロテクトする、プロテクションベットとは違う意味を持っているので注意しましょう。
ポジションがないとき、フロップ以降のアクションが自分からになるので、勝敗が不明な際にチェックをせずにあえて小さなベットをすることで、相手の大きなベットを防ぐ効果があります。
一般的にはブロックベットに対してレイズが返ってくると強いハンドが出てくる事がブラフより多いため、少ない被害で降りることも出来ます。
エクスプロイト寄りの戦略?
ブロックベットのタイミングですが、フロップ以降様々なシチュエーションで使われます。
ただし重要なのはベットタイミングよりもベットサイズの方で、僕自身がブロックベットについて色々と学んでいる限りでは、相手を惑わす意味を持っている方が大きいのかなと思いますね。
GTOWizardなどを使い正しいプレイライン、打ち合いをお互いがやる前提の場合、例えばかなり小さい1BB近いベットなどほとんどの状況で出てくることはありませんよね。
僕がプレイしている環境もありますが、初心者が多いテーブルだと直感的にプレイしている人も非常に多いので、上手くベットするのも必要。
そのような環境の場合、小さすぎるベットでも、レイズを返されずコール止めしてくれることも多く、かなり有効な戦略の一つとなるので、ブロックベットは使いやすい印象です。
逆に上級者相手にブロックベットっぽさを出してしまうと、簡単に大きめのレイズをされ、フォールドせざるを得ない状況となるでしょう。
フロップでドローハンドを安く見に行きたい場合、リバーで微妙なハンドで相手にブラフさせないような場合など、意外と使える印象です。
ですので、相手次第では使えるエクスプロイトの一種として覚えておくべき戦略の1つだと個人的には思っています。
フロップで安くドローハンドを見に行く戦略
では実際のポジションやハンドごとに詳しく見ていきますが、COからのレイズに対してBTNがコールドコール、他のプレイヤーがフォールドした場合で考えていきます。
100BB持ちのキャッシュゲーム想定、本来ならBTNから3BETすることの方が多いですが、説明の都合上でコールを選択したことにしています。
COのハンド | BTNのハンド |
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ボードのカード | |
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さあ、アクションはレイズをしたオリジナルのCOからスタートですが、あなたならこのボードでどうしますか?
オープンエンドストレートドローがついており、ターン・リバーと進めばストレートが完成する確率は約32%ほどの状況です。
結構ベットしていきたい場面のようにも思えますが、GTOで見ていくと全レンジでチェック推奨のアクションです。
やはりボードがコーラー側に有利なこともあり、下手にPOTを膨らませても良いことはないシチュエーションであることが分かりますね。
豆知識としてお伝えしていきますが、このCOが不利であり、BTNが全体的に有利なボードである根拠として、EQグラフ(エクイティグラフ)を参考にしていきます。
レンジの項目を押すと、このように色分けされたグラフが表示され、ほぼ全ての状況で緑(BTN)が上回っていることから、COが攻めるべき状況ではないということです。
続きを見ていきますが、COがチェックした際のBTNアクションとして、当然有利なので75%くらいはベットしていくことが推奨されています。
ハーフPOTより少し低い額が推奨されている状況ですので、「66」も当然ですがここではハイカードなどに向けてバリューを取りにいくベット。
このフロップでGTO的にはこのような流れなのですが、問題はCBを打たずコーラー側に有利なボードの場合、平気でPOTベットが飛んでくる状況もかなり多いのです。
オープンエンドがついている状況なので、オッズ的には耐えないといけないですが、ここで自分からブロックベットの意味で小さくベットしておく戦略もアリということですね。
GTOから外れている場合など、ワンペアなどのハンドであれば、コールで止めてくれる場合も多いので、自分から安く打っておいてドローを見に行く作戦も十分使えるのではないでしょうか。
GTOでは全レンジチェックと言われていますが、初心者相手だと1BB~2BBのかなり小さなベットでもコールしてくれることも多いので、引き出しの一つとして使えるかもしれません。
ターンで最後のドローを見に行く戦略
COのハンド | BTNのハンド |
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ボードのカード | |
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先程の状況のまま、どちらもフォールドすることなくターンで「10♠」が開いた場合のアクションを見ていきましょう。
COにとってはストレート完成せず、苦しい展開になってきました。
・COオープンレイズにBTNコール
・フロップでCOチェック
・BTNが小さなBMCB
・それに対してCOはコール
フロップでBTNから打たれているので、主導権(アグレッサー)はBTNになった状況なので、多くの場合はCOがチェックになるでしょう。
ですが実はここでも、相手に打たせないためブロックベットが正しいとされる頻度もあるのです。
少し見にくくはなってしまいますが、赤がベット推奨のハンド、全体では25%でめちゃくちゃ小さなベットすることをおすすめされています。
フロップでBTNから打たれているので、2回連続でチェックをしてしまうと、相手から大きく打たれることを防ぐ意味があります。
例えばここで、相手がTヒットしていてトリップスが完成した場合、多くの場合はレイズで打ち返してくるでしょう。
そうなればフォールドすれば良いだけですし、小さなベットについて来てくれるのであれば、安い投資で最後のアウツ8枚、約16%の勝利を見せてくれることになります。
リバーでブラフを防ぐブロックベット戦略
COのハンド | BTNのハンド |
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ボードのカード | |
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最後はまた別のシチュエーションで軽くお伝えしますが、リバーでのブロックベットは、自分のハンドを守る、相手からのPOTオーバーベットなどを防ぐための目的です。
細かいアクションの流れは省きますが、パッと見た感じであなたがCOの場合どのようにアクションしていきますか?
7のセットが完成している状態ですが、8が1枚のストレートにも負けていますし、♥2枚持ちのフラッシュにも負けている状況です。
ここで仮にチェックで回すと、相手からの大きなベットに対してめちゃくちゃ悩む状況になってしまうのですね。
例えそれがブラフであったとしても、相手のストレートやフラッシュの割合もかなり高いと思ってしまう状況です。
ですのでここで自分から小さなベットを打っておくことで、レイズが返ってくる以外はしっかりと利益を出せるだろうという考え方です。
リバーでのブロックベットが一番遭遇して、自分も使うパターンが多いかもしれませんね。
ただし、相手が上級者、ハンドリーディングが上手な場合はしっかりとブラフでもレイズを返されてしまうので注意しましょう。
ブロックベットの注意点、対策
最後に注意点、対策をお伝えしますが、違和感のあるプレイは上手い人はすぐに気付きます。
ブロックベットだろうなと思われてしまうと、当然ですがそれに対してはレイズを返すことが対策であり大きなエクスプロイトとなるでしょう。
例えばブロックベットっぽい小さなベットをリバーでやって、しっかりとバリューベットだったみたいな場面を多く見せていることも大事です。
テーブルイメージとも呼ばれますが、長く同卓する場合などはプレイヤー同士で間違いなくお互い研究していますからね。
しかもリバーまで行っているということは、それまでのボードやお互いのレンジで打ち合ってPOTがかなり膨らんでいる場合も多いので、ミスによる期待値の損失はかなり大きいです。
ブロックベットとして使う際は、しっかりレイズするプレイヤーには警戒、オールインされると、セットでも降ろされてしまうこともあるので注意して使っていきましょう。