ブロッカーとは?どのような状況で使う考え方・戦略なのか

テキサスホールデムには、相手に見えないハンドを利用したブロッカーという考え方があります。

上級者であれば多くのプレイヤーが口にする言葉ですが、もちろん知っておいて損はありません。

ですがこのブロッカーを過信しすぎると、初心者の多いテーブルの場合は痛い目に合うこともあり得るでしょう。

今回こちらではある程度慣れてきた中級者向けに、ブロッカーの考え方・戦略を詳しくお伝えしていきます。

ブロッカーとは?

考える
テキサスホールデムでは、全員で使う5枚のボード、そして自分以外に見せない2枚のハンドを使って勝負します。

2枚のハンドはポジションやハンドレンジ、そしてプレイヤーのVPIPなどを参考にして、想像しながら相手に勝っているのか、負けているのかを考えていきますね。

そして自分の持っている2枚のカードは、相手が持っているはずのないカードになるので、少しですが相手の持ちうるハンドが減るわけです。

これがブロッカーの考え方で、多少なりとも相手のレンジ上からコンボ数が減っているから、それを利用して相手のハンドを読むことがブロッカーの考え方です。

もちろん分かるカードの種類は54枚中のたった2枚ですが、上級者同士の戦いだと数%の可能性が変わるだけでも大きな違いとなるでしょう。

ブロッカーを利用したブラフ、自分がこのマークを抑えているからなど、自然と考えていることかもしれません。

実際にブロッカーを利用した状況


ではまず100BB持ちのリングゲームにて、あなたがCOからオープンレイズ、BBがコールした場面で考えていきましょう。

最初に言っておきますが、基本的にこのブロッカーの考え方は、相手がしっかりとしたレンジを構築できている場合に多く活用出来ることです。

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

まずはこのようなボード、若干ローボード寄りでBBに有利とも思えますが、フラッシュドローが付いている状態なので多くの場合はベットしていくでしょう。

BBは当然チェックで回して、あなたがハーフPOT、50%ベットをしました。

ここまで特に自然な流れなのですが、ここでBBがコールではなく3倍のレイズして来た場合どうしましょうか?

BBがチェックレイズを選択することは全然多い状況で、ここで相手がどんなハンドを持ってレイズをしているか考えるわけですね。

相手のチェックレイズ

・同じフラッシュドロー
・89のストレート
・85のストレートドロー
・TT,77,66のセット

一応GTOWizardで確認しますが、BBがチェックレイズを選択するハンドは全体の10%くらいなので、相手のハンドがかなり絞れてきます。

ここで問題は、自分がフラッシュドローを抑えていることで、相手のフラッシュドローでのレイズがかなり減っていることを踏まえた上で考えないといけませんね。

当然相手のレイズに対して、Aハイのフラッシュドローは降りることはなく、まずはコールすることが正しいです。

ですが相手がブラフをあまりしないプレイヤーの場合、この時点で相手のストレート完成やセット完成がかなり濃厚になるので、続けて落ちるカード次第では慎重に戦わないといけません。

変にヒットしてしまった場合の対応

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

さて、4枚目のターンカードはAで、CO側に有利なカードですし、あなたはヒットしたのでワンペア+フラドロの状態になりました。

ですがこの状況は逆にかなりマズい展開であり、そこそこ強い状態でドローもあるので、相手のベットに対して引き続き戦わないといけない状況になったのですね。

案の定BBからハーフPOT、50%ベットが飛んできましたが、Aがヒットしている時点でこれをフォールドすることはほとんどなくコールです。

ラストカード、5枚目次第にはなってきますので、フラッシュが完成しなかったパターンで考えていきましょう。

あなたのハンド 相手のハンド
ボードのカード

最後は10が落ち、BBからPOTの75%ベットが飛んできて、あなたはAのワンペアでコールできるでしょうか?

この場合はAワンペアでキッカーが弱いので、当然ですがコール出来ず、ほぼフォールドすることが推奨されています。

そこまで複雑に考えることではないのですが、最後リバーのベットにブラフがあるとするのであればAワンペアはブラフキャッチとしてのコールになります。

自分が♣を2枚持ってしまっており、相手のブラフが極端に減っているため、フォールドするハンドが多くなるのがブロッカーの考え方です。

相手次第では極端に使える場合がある?


今回はフォールドでしたが、一応「A♣K♣~A♣J♣、A9o、A8o」などでもコールは推奨されています。

ですがこれはかなり落とし穴で、環境次第ではありますが、チェックレイズがバリュー多めになっているパターンがあります。

少なくとも無料アプリ環境であればオープンエンドストレートドロー、フラッシュドロー、セットくらいでしかチェックレイズはほぼ見ないほど。

それを踏まえるならば、自分がフラッシュドローの時点で相手はストレートドロー、ストレート・セット完成の択しかなく、3発しっかり打ってくるハンドはほぼ強いハンドが出てくるでしょう。

またベットサイズもハーフなどではなく、平気でPOTベットなどもしてくる場合もありますので、1発はコールしたとしても、ターンでフォールドもアリかもしれません。

本来ならフォールド多めにすると、相手のブラフが通りやすくなり良くないとされていますが、それは相手がバリュー、ブラフをバランスよく行っている場合のこと。

僕も上手な人のプレイや考え方を聞いて実践で試すことも多いですが、そもそも相手がバリュー過多なのであればGTOwizard通りのプレイなどやっていても勝てないでしょう。

「バリュー多めなプレイヤー相手で自分がフラドロ滑りだからほぼフォールド」、ブラフキャッチやマージナルなハンドでのコールは極力そのような相手には控えるほうが良いのかなと思っています。

細かい差をつけるための戦略

実力
ブロッカーを含めて細かい考え方ですが、ポーカーはこれを取り入れたからと言って、極端に強くなるわけではありません。

むしろ考えすぎて初心者相手に全然勝てない、低レート環境で逆に難しくなるなんてこともあるでしょうし、実際に僕がその沼にハマってしまいました。

あくまで自分が戦っている環境、プレイヤーの傾向を大前提として、そこでどのように勝つか?というエクスプロイト多めの戦い方が多くなってくるでしょう。

オンラインや海外キャッシュゲームのハイレートであれば、GTOを基準とした細かいスキルエッジが大事になってくるため、ブロッカーの概念を知らないと厳しくなると言われています。

ですので自分が挑戦しているテーブルのレベルに合わせて、使える引き出しと臨機応変な対応を身に着けていくことがポーカー上達の近道ではないでしょうか。

少なくとも全く知らないよりは知っていたほうが良いので、相手のどのハンドをブロックして戦っているのか、ぜひ考えながら上手く使ってみてください。