SB対BBの戦いはどうするのが正解?状況別のハンドレンジから考察
テキサスホールデムでは2枚配られるハンドの組み合わせ次第で参加するかを決めるゲーム。
どんな状況でどこのポジションから参加するかでハンドレンジが変わるのも面白いところです。
タイトにプレイしていると、どうしてもフォールドが多めになり、見ている時間が長くなりますがその方が一般的には正しいのです。
ですがそれは早いポジションの話で、SBまで全員フォールドした場合、後ろにはBBしかいないので1対1の戦いに変わり、ブラインドヘッズとも呼ばれ戦い方が多少変わります。
半分以上は相手より強いハンドなので、積極的に攻めることもセオリーですし、逆にBBは積極的に守る必要があるのですね。
僕もSB対BBの戦略が苦手で、色々なパターンを考えて勉強して考察しましたで、少しでも参考にして頂けると幸いです。
前提としてレンジを読むこと
テキサスホールデムは、相手のハンドレンジを想像して、自分が参加するレンジを比べ、その時のボードにより戦い方を変えていきます。
初心者は自分のハンドだけを見て、役が強ければ攻める、弱ければ降りることを覚えるはず。
そこから一段階レベルがあがると、ハンドレンジを想像しながら戦うことになります。
一番分かりやすいのが、あなたがUTGからのオープンレイズをして、それに対してBBがコールで守った際のフロップですね。
あなたのハンド | 相手のハンド |
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ボードのカード | |
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BBがチェックをして、あなたは強さを主張するCBを打つか打たないかになるのですが、AやKを怖がって打たないのではなく、UTG側にAやKが多いから打つという考え方が正しいです。
レンジで打つ、レンジベットなどとも呼ばれますが、守った相手はスーテッドハンド、ローポケ、コネクターなどBBレンジは広くなります。
それに対してUTGのレンジは狭く、AやKが半分以上多く含まれるので、オリジナルに有利なボードと言われる状況なのですね。
ここでは流石に高頻度でCBを打つことで、逆にBBは何かしらヒットしているかドローがある状況でないとコールは難しいでしょう。
これがレンジ全体で考える一番分かりやすい状況で、UTG側の場合はこのようなポケットでも十分打っていける状況なのです。
そしてもしBB側でも例えば4ヒットしていも、ドロー系が一切ない状況だと、ターンでも結局打たれてフォールドする可能性も高くなるので、1発のCBでフォールドも視野に入ります。
SB対BBが難しい理由
ではなぜSB対BBが難しいかですが、ポジションが最後にアクションするBBに近いほど、参加すべきハンドレンジが広がっていくからですね。
特にBTNくらいからの参加で一気に参加できるハンドが増えて、169通りある表の中で、半分くらいは参加出来てしまいます。
多くのハンドで参加するということは、考えることは多くなりますので、3枚開かれたフロップ以降の立ち回りがかなり重要になってきますね。
僕もまだまだ経験不足なので、変にドローがついた場合やミドルヒットした場合などで、どのように攻めていくか未だに正解が分かりません。
自分のハンドレンジが広がることも問題なのですが、更に厄介なのはBBのディフェンスレンジも広がっていることでレンジが読みにくいことが問題なのです。
アーリーポジションからのオープンレイズに対してはある程度絞られていますが、フォールドで回ってきたSBからのオープンだとフォールドするハンドの方が少ないですね。
これが難しい理由で、お互いのレンジが広いことになり、低い数字でのツーペア、ストレートなどが全然あり得るのが怖く、変にワンペアで突っ張ると痛い目を見ることもあります。
因みに本場カジノでは、そのような難しい状況で戦って手数料(レーキ)を払うことを嫌い、「ブラインドチョップ」と呼ばれる引き分けで勝負なしにする方法もあります。
ルール的にOKなので持ち掛けられることもあるでしょうし、1度でも持ち掛けられた場合、常に応じるか断るか一貫することをおすすめします。
ハンドの強さでチョップを引き受けるかどうか決めていると嫌な感じもありますので、もしそのような場面に遭遇した場合は覚えておきましょう。
SBのオープンレンジ
ではまずSBからオープンするレンジですが、「GTO Wizard」の100BB持ちキャッシュゲームを想定したものから見ていきましょう。
赤が3BBのオープンレイズ、緑がコールするリンプイン、そして青がフォールドです。
オフスートの場合でも、下の数字が8以上あれば全て参加することが推奨されています。
スーテッドハンドもJ以上を持っていれば全部参加なので、ザックリ計算すると約65%のハンドで参加することになりますね。
赤と緑が混ざっている部分は、どちらでも正解といいますか、ポーカーにはよくある頻度で参加することが推奨されている状態。
最初はレイズだけでも良いですが、読まれにくくするためにもリンプインを混ぜることで、相手を翻弄するような戦略です。
ただしリンプインを混ぜるには、強いとレイズ、弱いとリンプだとBBからのレイズに対してフォールドしまくることになるので、強いハンドでもリンプする必要が出てきますね。
一概にどれをリンプに回すのか決まった答えはなく、スタック、BBの相手次第で色々と工夫して戦っていこうとしか言えないのが難しいです。
BBのコールレンジ
続いてはSBのオープンに対して、BBがコールするレンジもかなり広くなります。
オフスートはSBオープンと同じく、下が8以上であれば全参加することが推奨されていますね。
スーテッドは本当に一部を除いたハンド以外で参加することになるので、SBオーブンレンジよりさらに広がった約75%くらいでのディフェンス参加になります。
そして全てのハンドをコール止めするのではなく、3BETで打ち返す部分にも注目ですね。
赤い部分がレイズ推奨なのですが、本当に強いハンド以外にも、一部弱いハンドでも頻度で3BETを打つように色分けされています。
こちらも理由は相手から読まれにくくすること、実際にスーコネ、A5s~A2sは「ライト3BET」としてBBだけでなく、ほぼ全てのポジションで打ち返すことが多いハンドです。
相手次第ではありますが、多めに降りてくれるのであればスチール出来ますし、もし受けられた場合でも、ストレートやフラッシュ完成で大きく取れる可能性もあるので使いやすいハンドですね。
因みにですが、このようなライト3BETが推奨される状況は、基本的にスタック量に余裕があるときですので、4BETぶつけられて残りスタックが少ないとフォールドするしかなくなるので注意しましょう。
プリフロップの戦い方考察
トーナメント・リングゲームともにSB対BBの構図になることは意外と多く、特にVPIP20%~30%くらいのプレイヤーが多いとフォールドで回る割合も高くなりますね。
SBはBBに対してもポジションがないため、2BBオープンより3BBオープンでプレッシャーを与えるレイズ額が推奨されます。
例えばUTGなどアーリーから普段2.5BBなどを使っている場合は、SBから3BBもしくは3.5BBへ変えるなどがちょっとした工夫の1つです。
そして受ける側BBの工夫としては、何でもコールではなく、しっかりと3BETを打ち返すことで、ルースなプレイヤーは3BBで多めにプレッシャーをかけて来るのでその牽制ですね。
プリフロップでは先ほど紹介したレンジからアンティありやMTTの環境から少し広げるような感覚で、基本的には問題ないでしょう。
レンジが広い分工夫しやすいですし、SBでリンプを混ぜる、BBで弱いハンドでも3BETを混ぜるなど色々と試してみることをおすすめします。
フロップ以降の戦い方考察
問題はフロップ以降の戦い方ですが、個人的にはやはりポットが膨らみすぎないように小さく稼ぐ感じで考えて良いかなと思いますね。
上手な人の打ち合い、読み合いなどを見ていると「相手のAJ~AKを降ろす、ローポケを降ろす」などやはりポジションごとのハンドを想像したブラフなどを多用します。
ですがハンドレンジが広いと、そのバリューもブラフもターゲットが見つけにくいことが原因で、困る状況が多いのですね。
困ったらチェックと初心者は教わるほど、手番を回すことが決して弱いわけではないので、全然チェックを多用しても良いかなと思います。
あなたのハンド | 相手のハンド |
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ボードのカード | |
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例えば冒頭でも使ったハンド、ボードですが、SBからオープンした場合、決してAやKがSB側に有利であるとは限らないのです。
逆にBB側がA持ち、K持ちでも全然おかしくないので、チェックで回す頻度の方がこのハンドでなく、全体的に高くなってきます。
赤がベット、緑がチェックとなりますが、全体的には66%がチェック、8ポケは100%チェックが推奨される場面なのです。
傾向を見ているとAのトップヒットやツーペア以上完成だとバリューベット、本当に勝てないようなハンドで相手をフォールドさせにいくブラフベットの2つがほとんどで、それ以外のミドルペアなどの中間層はチェックで回してます。
それに対してのBBディフェンスレンジですが、結構SBが打たなかったからこちらから打とうと考える人も多いのではないでしょうか?
正解といいますかGTO的な傾向だと、BBはSBよりも更に多い全体で約80%はチェックで4枚目を見ることが推奨されています。
しかも赤でベットする部分は、ストレートのガットショットがついた低い数字の部分でやはりブラフよりに偏っていますね。
ですので、AやKがヒットしている場合や中途半端なハンドでもチェックで進めて何も問題ないということになります。
ターンでも例えばフラッシュやストレートが絡まないようなカードが出た場合、SBもBBも約8割はチェックで回すことを推奨されています。
ボードやハンド次第ですが、全体で見てもチェックレンジの方が多いことは明白なので、打ち合って事故負けすることは防いでいきましょう。
増やすべきポイントは別にある事
SB対BBの戦略をお伝えしてきましたが、なんとなくでも参考にして頂けると幸いです。
例えばこれが最初からヘッズアップの勝負だと戦略は変わってきますが、6人テーブル、10人テーブルなどのSB対BBはあくまで参加する中であまり嬉しくはないシーンです。
無理してハンドが読めない状況で打ち合うよりも、強いハンドで参加した時にバリュー、ブラフを使い分けできる方が勝ちやすいですよね。
ですのでフロップ以降は控えめに、思わぬチップを失う原因ともなってしまうので、特に慎重に戦っていきましょう。
実際にフロップ・ターンとお互いチェックで回り、リバーで打つかどうか、打たれた場合コールするかをギリギリで考えれば良いと思います。
戦略は人それぞれですが、微妙なワンペアなどでヒートアップし過ぎないよう注意して戦うことをおすすめします。